この記事では優待クロスで確定申告・配当控除をするとどうなるのか解説しています。
2021年2月から優待クロスを始めました。
今年(2022年)が優待クロス開始後はじめての確定申告になります。
いつも通り国税庁のHPで確定申告を作成…。
そして気が付きました。
優待クロスして確定申告したら税金の還付が増えるかも!
(※ただし課税所得695万円以下)
どういうことでしょうか?
同じように優待クロスをされている方、これから優待クロスしようと思っている方の参考になれば嬉しいです。
確定申告は大変ですが、やると良いことあります!
注意点
これから説明するやり方なのですが、
優待クロスしかしていない場合は使えません!
譲渡損となる配当落調整金と相殺する利益が、ないからです。
あくまでも、優待クロス以外にも株売買や投資信託売買の利益があって、配当落調整金と相殺できる方に有効な方法です。
ご了承ください。
株取引をした場合の確定申告について
多くの方は株取引を「特定口座(源泉徴収あり)」で行っていると思います。
この口座は自動で税金分を引いてくれるので、確定申告は原則不要なのですが、確定申告をすることもできます。
株式等を売却し譲渡益が発生した場合は、分離課税の対象となり、原則として確定申告が必要となりますが、金融商品取引業者等に「特定口座」を開設しており、その「特定口座」が「源泉徴収口座」である場合には、その口座内における譲渡益については申告不要を選択できます。
国税庁
詳しくは国税庁HPへ
そして、特定口座(源泉徴収あり)を確定申告する場合、株売買の譲渡損益は「申告分離課税」という課税方式で税率は一定(約20%)なのですが、配当金に関しては「申告分離課税」or「総合課税」どちらかを選択できます。
詳しくはこちら
申告分離課税
申告分離課税のメリットは、株売買の損失と配当金を「損益通算」できることです。
株取引でプラスばかりの方は少ないと思うので、損益通算は大事です!
損益通算すると、利益分にかかっていた税金が還元されます。
最終的にマイナスで終わった年は、この申告分離課税で確定申告をすると、売却損を3年間持ち越して、利益の出た年に損益通算をして税金を還付してもらうことができます。
税率は約20%で固定です。
総合課税
総合課税のメリットは、「配当控除」が使えるようになることです。
配当金にかかる税率は、申告分離課税にすると約20%で固定ですが、総合課税にすると累進課税と言って、所得に応じて税率が変わります。
課税所得が695万円以下(年収だと1000万円以下くらい)の場合は、総合課税の税率が20%未満になるので、申告分離課税の20%固定よりも税率が低くなります。
特定口座(源泉徴収あり)では配当金は20%で税金が徴収されているので、差額の税金が返ってきます。
課税所得 | 申告分離課税の税率 | 総合課税の税率 | 差 |
195万円以下 | 20.315% | 7.20% | 13.115% |
330万円以下 | 20.315% | 7.20% | 13.115% |
695万円以下 | 20.315% | 17.41% | 2.905% |
900万円以下 | 20.315% | 20.47% | -0.155% |
1000万円以下 | 20.315% | 30.68% | -10.365% |
1800万円以下 | 20.315% | 37.19% | -16.88% |
1800万円以上〜 | 20.315% | 44.34% | -24.03% |
詳しくはこちら(日興証券)
総合課税のデメリットは、株の売却損と配当金の損益通算ができなくなることです。
株の売却益と売却損でのみの損益通算になります。
売却損の持ち越しもできません。
ちなみに令和3年度確定申告から、マイナンバーカードがあればスマホでサクッと株取引の確定申告の入力ができるようになりました!
自動入力になるので記載ミスもなくなります。
詳しくは国税庁HPへ
優待クロスすると配当金が増える
優待クロスをすると、現物買いした株の配当金がもらえます。
こちらは、信用売りの「配当落調整金」で相殺されるのですが、
配当金→配当所得
配当落調整金→譲渡損の一部
という扱いになります。
↓配当落調整金についてはこちらの記事も参考になさってください。
このまま確定申告しなくても、特定口座内の配当金と配当落調整金は自動で損益通算され、プラマイゼロになります。
(先述の申告分離課税のような感じです。)
ここで、あえて確定申告して総合課税を選択すると、配当所得は配当控除が使えるようになります。
配当控除を使うと、課税所得695万円以下の方は、税率が特定口座で引かれている20.315%より少なくてすみます。
そのため、優待クロスで見かけ上は配当金があるので、その一部の税金が戻ってくるということです。
確定申告は総合課税で配当控除、住民税は申告不要制度を利用!
優待クロスや現物株でもらった配当金の税金を取り戻すべく、
「総合課税」で確定申告をし、「配当控除」を利用しました。
さらに裏技的な「住民税の申告不要制度」も利用しました。
その結果…!
約2万円の還付金に!!
(※ふるさと納税の還付もコミコミなので、実際の配当控除としては1万円くらいかも。)
去年はこんなに多くなかったので、優待クロスでゲットした(?)配当金の影響があると思います。
課税所得 | 申告分離課税の税率 | 総合課税の税率 | 総合課税& 住民税申告不要を利用 |
195万円以下 | 20.315% | 7.20% | 5% |
330万円以下 | 20.315% | 7.20% | 5% |
695万円以下 | 20.315% | 17.41% | 15% |
900万円以下 | 20.315% | 20.47% | 18% |
1000万円以下 | 20.315% | 30.68% | 28% |
1800万円以下 | 20.315% | 37.19% | 33% |
例えば優待クロスした高配当のイオンモール↓
配当金:2500円(半期)
源泉徴収された税金:約500円(20%)
総合課税にした時の税金:約375円(15%)…とくさんの課税所得は695万円以下のゾーン
その差:約125円←還付
こんな感じでちょびっとずつ儲けていたようです!
というか、これだけあれば優待クロスの手数料もチャラにできていますね。
(ちなみにイオンモールのクロス費用は78円でした。)
優待クロス、神では…!
住民税の申告不要制度って?
配当金を総合課税にすると、課税所得自体が増えてしまいます。
それによって配偶者控除から外れたり、保育料が上がったりする場合もあるようです。
なので、
住民税申告不要制度も合わせて行っておくと良いです。
簡単にいうと、国には確定申告の収入(税率)で申告して、市町村など自治体には確定申告なしの収入(税率)のままにしてもらう制度です。
知る人ぞ知るマニアックな制度です。
配当金にかかる税率も低くなるのでお得です。
今までは市役所に申告不要の用紙を出さないといけなかったのですが、
今年(令和3年度分)から確定申告の用紙にチェックを入れるだけでよくなったみたいです。
配当金だけじゃなくて、株取引の利益も自治体にはナイショにできてしまうようですね。
素敵…!
まとめ
優待クロスで確定申告・配当控除をするとどうなるのか?についてでした〜!
結果は、
課税所得695万円以下の方は、(実際はもらっていない)配当金の約5%が戻ってくる!
となりました。
優待クロスは株主優待ももらえるし、確定申告で還付もあるし、すごい方法ですね。
年収が多い方は確定申告はやらないほうが得策のようですが、
とくさんと同じぐらいの年収の方であれば、確定申告、いいと思います!
国税庁のホームページで計算だけもできるので、
- 源泉徴収票
- 株の年間取引報告書
などを用意して、実際に計算してみるのもいいかともいます。
参考:国税庁の確定申告特集
以上です〜!
読んでくださってありがとうございました〜!
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